2008年 中途入職 救急外来に配属
2013年~ 大学院NP養成課程に進学
2015年~ 診療看護師
NP一期生
長年、看護師として救急の現場に携わってきました。救急の役割は早急に患者さんの状態を把握し、状態を安定させ、苦痛を取り除くとともに早期に治療のスタートを切ることです。患者さんの状態や状況に即対応し、いまできる最良の看護・医療を提供したいという思いがありつつも看護師の資格の範囲ではできない処置や判断があり、ジレンマを感じていました。私が看護師10年目の節目に、国で看護師の業務拡大の動きがあり「診療看護師」「特定看護師」といった資格の創設案が検討され始めました。大学院進学を決めたその頃は、まだ看護師の業務拡大について国会の議論がなされている真っ最中で制度化される確証は有りませんでしたが、自己研鑽のため「診療看護師」の養成課程のある大学院への進学を決めました。大学院入学と同時に「看護師の特定行為」制度が新設され、診療看護師の教育と特定行為研修という二本立の教育を受けることが出来ました。幸いなことに2015年、大学院卒業の年に日本NP教育大学院協議会が「診療看護師」の認定試験を開始し1期生として診療看護師としての道を歩み始めることが出来ました。
医師・看護師の隙間を埋める裏方として
保健師助産師看護師法に定める看護師の業務は『療養上の世話』と『診療の補助』に分けられますが、診療看護師は『診療の補助』の割合が非常に多い看護師です。医師が外来や手術等で手が離せない時に状態が不安定になった患者様の対応をしたり、傷の処置や手術の助手をすることもあります。それと同時に私は診療「看護師」ですので、看護師さんらの考えや困り事など同じ看護師として理解ができますし、患者様の状態の変化であったり療養生活に関する情報を得やすく、それを診療に繋げる役割も担っています。
診療看護師は病棟毎に業務にあたる一般的な看護師とは異なり、診療科毎に配属されているため、患者様の入院から手術・退院の全ての過程に携わり、例え病棟が変わっても横断的に患者様と関わることが出来ます。現在、担当している整形外科では高齢の方の入院が非常に多くなっています。高齢の方が不運にも転倒により骨折してしまった場合、手術をしたからといって骨折する前の生活に戻ることは容易ではありません。医師によって手術が行われた後は医師と協働し創部の状態やリハビリの経過、患者様の全体像を把握し、食事・排泄など生活に係ることから、ご家族の要望等々、専門職のみなさんと情報を共有してチームで患者様と患者様のご家族を支え、安全で安心できる生活の場へと退院してもらえるように、入院から退院まで支援するのが私の役割となっています。
診療看護師はまだ歴史が浅く、世の中の認知度も高くありませんが、当院には新しいものを受け入れる文化があり、新しいものに寛容です。診療看護師としての1歩目を湘南藤沢徳洲会病院で始められて良かったと思います。そして、当院には互いに切磋琢磨し支えあえる診療看護師の仲間が2名いてくれるので本当に心強いです。
今後、診療看護師の仲間が増えれば、きっともっと患者様に良い医療・看護を還元できると思います。これから看護師を目指そうとしている皆さん、「自分なんか」と思わずに、「自分だって!」と自信を持って先ずは看護師を目指して欲しいと思います。キャリアアップを考えている看護師の皆さん、職場が…家族が…と、自分の目標に対して出来ない理由ばかりに気持ちが向いていませんでしょうか?どうしたら職場の同意や協力が得られるか、家族の負担を最小限にできるか、諦めずに出来る方法を探してみてください。出来る方法が見つかったのなら最後は思い切って目標に向かって飛び込んでみてください。多くの後輩達が後に続いてくれる事を願って、今日も明日も頑張ります。