この方たちが院内で活躍していけるようにサポートできればと考えています。
2005年 中途入職
2010年~ 皮膚・排泄ケア認定看護師 専従
2012年~ 皮膚・排泄ケア専従 看護師長
2017年~ 特定看護師 創傷管理領域
きっかけ・・・ETナースとWOCナースの出会い
看護師になって以来、主に外科領域で仕事をしてきました。皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCナース:Certified Nurse in Wound, Ostomy, Continence Nursing)を目指したのは、以前勤務していた病院で、勉強会に来ていただいたETナースとの出会いがきっかけでした。ET (Enterostomal Therapist)とは、ストーマを増設した患者さんのケアを行なう「ストーマ療法士」のことで、WOCナースの前進となったアメリカの資格です。ETナースのもの凄い知識を見せられて「この人凄い。プロだわ!」と感激し、憧れを抱きました。
私が当院に転職した頃は、ストーマケアができる看護師がいなくて、経験があった私がストーマケアの担当となりました。そんな中、ある業者さんから「WOCナースになったらどうですか」と声をかけられ、「私にもできるかな・・・」と思いながらも、ETナースへの憧れが沸々と蘇り、WOCナースの道を突き進みました。
他にもう一人、影響を受けた人がいます。当院にWOCナースが誕生するまで、グループ病院である湘南鎌倉総合病院のWOCナースが、当院のストーマ外来を行なってくれていました。私はWOCの学校に合格したこともあり、勉強のためストーマ外来の見学・補助を希望し、WOCナースのケアを見せていただきました。その時の驚きは今でも覚えています。神業のようなケアと、医師じゃないかと思う豊富な知識、「アメリカのETもすごかったけど、日本のWOCはさらに凄い!私もこうなりたい!なるんだ!!」と思ったのを覚えています。
皮膚・排泄ケア認定看護師取得後、専従として業務にあたり、ストーマケアに加えて創傷や褥瘡ケア等を行なっています。また2017年に特定行為研修を修了したので、直接創の処置を行なったりもしています。
よろこびとやる気
基礎疾患を持っている患者さんに創ができるとなかなか治りません。中には年単位で創を抱えてしまう患者さんもいて、精神的疲弊し「創のせいで鬱になりそうだ」「この創さえなければ・・・」「創があるから〇〇できない」そんな患者さんの創がどうすれば治るのか、私も悩みますが、創が治ると患者さんは笑顔になり喜びます。その喜ぶ顔を見て、「やって良かったなぁ~」と思います。先生方(医師)もきっとこういう思いで仕事をしているだろうなと思います。創傷治療はひとりひとりケアが異なるため、最善なケアを考えることが大変ですが、創が治っていくのをみると、やる気になります。
外科の倉田先生を中心とした皮膚創傷ケア外来も軌道に乗ってきています。私の役割は、医師が診察する前に問診と創を確認し、次に手順書に従って包括的にアセスメントを行ない特定行為を実施します。最後に医師に診察していただき、私が行なった特定行為の確認をしてもらっています。
これからのこと
若い人たち(看護師)が院内で育ってきています。後輩の WOCナース岡部さん、フットケア指導士の成川さんだけではなく、創傷、フットケアに興味がある看護師が何人かいます。この方たちが院内で活躍していけるようにサポートできればと考えています。また私の場合、次なる活躍の場は在宅医療かなと考えています。看護師の特定行為が本来目指すところは在宅医療です。寒い日暑い日雨の日に、外来で老夫婦が大変な思いをして通院する姿を見る度に、「私が出向いたほうがいい」と、いつも思います。患者さんの大変な思いをひとつでも取り除き、認定看護師の知識と、それに裏付けされた技術(特定行為)で、在宅医療の場で活躍できたらと考えています。